Takashi Ura
GrandPrix Exhibition
宇良貴志 Takashi Ura
“Underground”
6.2 [火] – 14 [日] 2009
今年は、Gecko Award の表情が少し違った気がします。
それが、作品たちなのか私自身なのか。
初入選の作品たちの純粋なエネルギーと、毎年参加して一次通過をしている人達の何かを沢山背負いつつある
’あの頃’ とは変わってきた思いが、沢山溢れている様な気がしました。
初入選の人達へ。
赤ちゃんもはじめの一歩は、ウキウキ、ドキドキで、伸ばした手の先に、お母さんやお父さん、
おばあちゃんやおじいちゃん、親戚のひと、公園ですれ違う知らない人達が、満面の笑顔で立っていて、
あなたに優しい手のひらを差し出してくれるでしょう。もちろん無条件で。嬉しくて誇らしげで、’立っち’が出来ただけなのに。
昔、初入選した人達へ。
あなた達は、’立っち’が出来て当たり前になってしまいました。世間からの要求も増え、
人によってはお受験を迎えたり、恋愛で失敗したり、慰めてくれる人もなく、
次は?今度は?とあせりを感じていたり、あるいは ’もう学生じゃないんだから、
自分の生活は自分でしなさい。いい大人でしょ?’と、あまりにも苦手な領域に足を踏み入れた人もいるでしょう。それが出来てあたりまえだと。
どちらも今の時間を楽しんでください。
そうして、「初入選」した人達は自分の将来を「昔、初入選した人」の中に見つけて、「昔、初入選した人達」は、’あの頃’ のウキウキ、ドキドキを思い出して、世間やしがらみと戦うエネルギーを充電させてもらって。そのために、みんなにここに集まってもらってるのですから。
その両方のモチベーションをバランスよく保てる人がプロです。
並大抵のことではありません。自分と戦いながら、日常や世間とも戦って、たまには自分の愛する人とも戦わなくてはならない時もあります。でも、そんなことみじんもあらわさず、自分の居場所で自分の作品を発表し続けて、評価を得ている人達も確実に存在しています。
そのバランスを保てる様になってしばらく過ごせば、何にも気にならなくなる時がやってきます。何がおこっても、「そう、そんな事もあるよね」って。
そうしたら自然と絵描きという肩書きで、のんきに生きて行ける事でしょう。
もちろん、作品を生み出す苦しみだけは抱えたままですが・・・その苦しみだけに集中できるなんて何て素敵な事でしょう。そうでしょ? 世間のしがらみにも、困窮する生活にも煩わされず、純粋に産みの苦しみだけに対峙できる様になるなんて! それがまさに今のあなたが望んだ世界のはずです。
私の宝物の引き出しがまた増えました。みんなみんな、ありがとう。
来年も絵を描いていてくださいね。でないと、私のエネルギーが充電されなくなるから。
参加してくれて、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
グランプリ発表パーティー 5/5 at Galerie RECOLTE
アルファベット順
Galerie RECOLTE (ギャラリーレコルテ) では、今年もプロを目指す作家たちへの応援として、
第8回目となる公募展 TOKAY GECKO AWARD 2009(賞金付公募展、アート全般に対する作品募集)を開催します。
応募作品の中から1次審査を通過した作品をギャラリーに展示し、一般投票(ギャラリーに見に来られたお客様の投票)
によって、グランプリ(1名)を決定します。グランプリ受賞者には、賞金10万円、副賞としてギャラリーレコルテでの
2週間の企画展を開催します。すばらしい才能を発見するのを楽しみに、皆様のご応募をお待ちしています!